プロジェクトは「提案」「キックオフ」「分析」「成果物作成」と4つの側面があるとご紹介しましたが、今回はキックオフフェーズです。

このフェーズで案件の詳細をすりあわせることにより次フェーズ以降が大分楽になります。前回の記事は

提案フェーズでの分析者の役割と決めておく事

です。

キックオフ フェーズ 概要

当該フェーズは以下の4つのサブ工程に分けられます。

分析方向性立案

  •  提案した内容を実行するための分析方向性を決める
  •  どのデータでどのような分析をして何をえるか
  • 分析方向性等がアウトプットになる

データ受領方法確認

  • データ関連のヒアリングを行う。
  • データはどこにあるか連携方法は?いつまでに?ファイルでもらうDBtoDB等
  • データ連携図等がアウトプットになる

分析工程作成

  • 上記2つを踏まえて具体的な分析の工程図を作成
  • 分析工程図がアウトプットになる

データ受領確認

  • データ受領/確認
  • ファイルそのものの確認内容の確認

(筆者作成)

分析方向性立案

分析方向性立案及びデータ受領方法確認は並行して行うものですが、分析方向性立案からご説明します。

分析方向性立案フロー

KGIの設定

  • 例えばECサイトがクライントの場合KGIとしては売上/年等が考えられる

KGIをKPIに分解

  • 次にこの売上/年をユーザ数×購買率×購買バスケット単価、ユーザ数=新規+既存….等と順番に分解していく

コントロール可能変数の特定

  • 次に分解されたKPIのうちコントロール可能な変数を特定する。
  • 基本的に下に→がないものがコントロール可能変数。例外は「潜在顧客」のように「打ち手」によってコントロール不可能のものは除く。
  • 問題の簡単化のためこのECサイトへの流入は検索のみ(ありえないが)とするとコントロール可能変数は「購買率」「検索後訪問率」「検索率」「注意/関心率」「認知率」と特定できる

仮説立案

  • それぞれのコントロール可能変数ごとに仮説を立案する(下図参照)

分析方向性立案と評価

  • 仮説に対しての行う分析の方向性を「データの利用難度」や「分析後の施策のKPIへのインパクト等」を考慮して行う分析を評価する。(下図参照)

(筆者作成)

データ受領方法確認

分析案より必要なデータを特定しました。続いて受領方法や受領日をすり合わせます。必要であればデータ連携図を作成します。

ここで重要なことは、受領するデータの期間など一度決めたら変えないようにしてください。分析結果に再現性がなくなります。サイエンスは科学ですから再現性は重要です。

データ受領のデッドライン

ここで分析プロジェクトの場合はこの日までにデータを受領できなければプロジェクトの遂行が難しいというデッドラインの設定が大変重要です。以下にデッドラインの設定方法を示します。

分析工程作成

分析方向性とデータ連携方法が定まったら、より詳細な分析工程を作成します。これはモックだとか、プロトタイプだとかに似ているものです。顧客とより詳細に進め方を擦り合わせるために使います。

データ受領/確認

データを受領。データそのものが正しいか、破損はないか?データのカラムが正しいか、データの中身が正しいか等を確認します。適宜受領表を作成し顧客への確認を促します。

一般論を述べるのが難しい工程ですが、以下に主な着眼点とよくある事例を記載しました。

データそのものの確認

カラムの確認

カラム内容を確認します。データクリーニングの段階で詳細に行うため。ここでは以下2つに絞って行います。

まとめ

提案フェーズに比べプロジェクトがかなり具体化してくる段階です。特に分析方向性の擦り合わせは手戻りを少なくするために重要です。面倒がらずにきちんと行いましょう。

ではGood bye.