弊社は広告代理店様や事業会社様のマーケティング部門、及び金融機関様に対してデータ解析のサービスをご提供しています。一見異なる業種・業界と考えられますが抽象的な無形サービスを提供するという点で共通しています。

弊社は広告とファイナンス、2つの機能を融合するサービスを検討しております。そのため、2021年の11月に中小企業様の広告費とそれに関する資金調達についての調査を実施しました。本稿では調査結果の要約をお届けします。

調査対象

  • 中小企業経営者:163人
  • 調査モニター:大手調査会社モニター + 一部独自のリクルーティング
  • スクリーニング:なし
  • 期間:2021/11/12 | 2021/11/19

調査背景

スタートアップを含む中小企業にとってファイナンスは最重要事項です。銀行取引実績の多い老舗中小企業は銀行を含む金融機関からのデッドファイナンスが、他方スタートアップではVCやCVCからのエクエイティファイナンスが主です。しかし創業年数が短い非スタートアップ的中小企業(急なグロースをしない)はこのどちらも適さない場合があると考えました。

そのため広告費に使途を限定した中小企業の資金調達意向について調査し、新しい与信によるデッドファイナンスの可能性を考察するために調査を実施しました。

1.     今までの調達資金使途について

中小企業の約1割程度は、過去調達した資金の使い道として「広告・マーケティング費用」と回答。

[図表1 過去調達した資金の使途]

2.     今までの調達資金使途について 創業年数区分ごと

創業年数10年以下の企業はそうでない企業と比較して、過去調達した資金の使途として「広告・マーケティング費」と答えた割合が大きい。

[図表2 創業年数区分ごと 過去調達した資金の使途]

比較的若い企業は「広告・マーケティング費」のための資金需要が大きいと考えられます。

3.     今後の広告費のための資金調達の意向について

創業年数10年以下の企業は約半分が意向ありと回答。全体の約2割は融資での調達意向あり、また約1割は与信不適格で融資が難しいが、できることならば融資での調達を希望している。

[図表3 創業年数区分ごと 広告費の資金調達意向]

比較的若い企業はデッドファイナンスでの広告費調達意向が大きいと考えられます。

一方で銀行融資では与信不適格となりやすく、補助金や金利の高いビジネスカードローンなどに頼らざるをえないと考えられます。

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